神々の乱心

吉野中西部 中荘・国栖方面

神々の乱心

先週の松本清張遺作「神々の乱心」の続きです。この物語は吉野の国栖周辺の神社の娘で、宮内省の皇后宮職の職員(女官)となるが、この吉野出身の彼女が吉野川で謎の入水自殺をし、このことを調査するために埼玉県の刑事が吉野に来るシーンが出てきます。ここの描写は谷崎が描いた「吉野葛」を思わせます。記載を見ると「・・・タクシーで上市の町を出ると、運転手は曲がり道の正面にある二つの丘を指した。「お客さん。あれが芝居でする妹背山でんね。こっちゃの岸の、こんもりと繁って紅葉で赤いのが妹山、川の向こう岸のが脊山だす。どうです、妹背山婦女庭訓の舞台の書割にそのままでっしゃろ?」「そうだね、まったく」-宿敵同士なのに、その息子と娘は恋仲である。作者近松判二のこの趣向は、百年も前にシェークスピアが「ロミオとジュリエット」で使っている。・・・」本当によく似ています。私もこの場所に来たら、運転手と同じことをよく言っています。

 

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