土倉さんが救った吉野山の櫻

吉野の桜

上中千本

先日の土倉庄三郎を取り上げたツアーの中で、土倉さんが吉野山の櫻を救った話です。これはガイドを務めてくれた松本修さんが、「広報かわかみ6月号」のコラムでの記事の抜粋です。

・・・明治初期のある日、吉野山の総代は庄三郎を訪ねて来ました。その用件は、「新政府の混乱から、吉野山ではここ数年訪れる人はなく、村人は生活に困っています。ところが、この度大阪の商人が来て桜の木を買うてくれることになりました。先日約定して、そろそろ切り始めています。伐採後に杉桧の苗でも植えたいと思うので、苗木のお世話をしていただきたい」という申し出でした。

庄三郎は驚き、「新政府が出来、日本は世界の国々との付き合いも始まって来たので、これから西洋人が多く日本に遊びに来るには違いない。その為にも、吉野山の桜は是非保存しておかねばいけない。その五百円は私が支払うので、すぐ大阪商人に返金しなさい」と即座にお金を総代に渡しました。土倉さんの支援がなければ、今このような吉野山の景色は見られない所でした。そして土倉さんは百年以上も前にインバウンドを考えていた事にも驚きます。

« »