吉野の民話6 「蛙になった人間」 伝承地:吉野町吉野山

吉野山を歩く

蛙跳び2

役行者が開かれた大峯山は現在、五月三日から九月二十三日までの間、山が開かれています。冬の間は雪が多くて登ことが事ができません。

そんな大峯山には多くの人たちがお参りにきますが、険しい所続きの修行が嫌になったある人が、「こんな所で修行しても、拝んでも何もご利益なんかない。」などと、色々悪口を言い、お参りに来たほかの人々にも言いふらしました。するとばちが当たったのでしょうか、悪口を言っていた人は足を滑らせて崖から真っ逆さまに、谷に落ちていってしまいました。

落ちた人は運のよい事に死にはしませんでした。しかし谷が深くて、誰も助けに行くことが出来ません。そこで、お寺のお坊さんたちが集まって、「助けて欲しかったら、蛙の姿で助けてやろう。それで真人間になるか。」と呼びかけました。

悪口を言っていた人は、助かりたい一心で承知しました。そして、蛙の姿で険しい岩場をよじ登ってきました。こうして崖の上に登ってくることができました。しかし、人間の姿に戻すことができないので、蛙は吉野の蔵王堂に連れてこられました。蛙はお坊さんに、「人間の姿にもどるには、大変な修行をしないといけない。」と言われました。

蛙は、人間に戻りたい一心で承知しました。

そこで、吉野中のお坊さんが集まって、お経をあげてやりました。すると蛙は人間の姿に戻りました。悪口を言っていた人は、真人間に生まれ変わったということです。

蔵王堂で七月七日に行われる「蛙跳び」の行事は、こうして行われる」ようになったと伝えられています。

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