楠本憲吉「私と吉野」

吉野を訪れた文人

俳人の楠本憲吉さんは、「私と吉野」でこのように記載しています。

・・・(中略)・・・

「葛と娘はわしらが自慢 といて見せたい雪の肌」

と「葛掘り唄」で歌われるように、吉野に国栖という一族がいて、山野に自生する植物の根から澱粉をとって主食とした。それが吉野葛である。葛は日本を原産地とするマメ科の植物で、吉野葛は特に著名であった。

 葛の根をくだいて、まるで綿のようになったものを、水で澱粉を洗い流し、その溶液を一昼夜おくと、底に沈殿ができる。この沈殿から葛粉のもとをとる。この葛粉を造るには、一にも二にも水。この良水に恵まれて、吉野葛は優秀となった。葛粉を菓子に用いるのは主として夏である。半透明のすがたからくる好みもあるが、葛粉は淡々としていて、暑い時に相応しいからであろう。・・・

この写真は、最高の葛職人である「葛遊」さんからお借りしました。10分しか見ることの出来ないこの透明感。この清涼感を味わいに、吉野山に足を運んでみませんか。スマイルバス停は仁王門前下車ビジターセンター前

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