吉野山を歩く

先日「語り伝える吉野の民話」を出版された金壽堂出版の吉村社長

が訪れて戴き本を頂戴しました。吉野は歴史深い地ですが、同時に伝承や民話も多い地です。ここからいくつか吉野町の民話を紹介します。最初は伝承地:吉野町吉野山の「河太郎のはなし」です。

吉野では河童の事を河太郎(がたろう)と言います。蔵王堂の東の方に細い川があります。山の神さんが集まって、そのそばにダブンコという、冷たいきれいな水が流れている所があります。そのダブンコに河太郎がいます。

子ども同士でダブンコに遊びに行く時には、周りの大人は「ダブンコには河太郎が追ってな、人間みたいな格好をしているけど、」頭に河童皿を載せているからよく分かる。けど河太郎が河太郎がだまそうとする時は、頭の皿を髪の毛で隠して分からなくして、おいで、おいでをする。いつまでも川につかっていたらあかんで。寒いと思ったら帰り

や。」と子どもたちに言います。

川は狭いのですが、ダブンコは広くて、「ダブンコでいつまでも泳いでいたら、お尻の穴から血を吸われて、川の水に引きずり込まれるで。」とよく言われます。

脳天さんの水子地蔵さんをまつっているところ、芳泉坊のところまでも河太郎は追いかけてきます。逃げても逃げても河太郎は追いかけてきます。芳泉坊から上っていくと、三つも四つも小さい祠があります。おとなたちは、

「そんな寂しい所もあるから早く帰って来いや。」と言います。

もっと下の方に行くと、地獄谷という所もあります。「地獄谷は地獄だから行ったらあかん。」と子どもたちは言われます。

 

写真は以前宮滝に住んでいた事のあるレザーアーティスト:河野甲氏による「河童」。喜佐谷に伝わる河童伝説を形にしてくれました。

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