吉野山にある能の舞台を歩く 9月19日(土曜日)

※定員になりましたので締め切りました。ありがとうございました。 吉野は数多くの能の舞台になっています。特に吉野山は能の舞台の宝庫です。 「二人静」「吉野静」「吉野天人」「吉野琴」「国栖」の舞台となっている勝手神社。 「嵐山」の舞台となっているのが、下千本駐車場前にある嵐山です。 これらの能の舞台を、吉野歴史資料館の池田館長が詳しく解説します。 また、能の見方や「吉野と能」についても、同時に学べる文化講座ともなっています。 そんな知識も得て見る吉野山の景色は、また違って見えるかもしれません。

日程詳細

開催日時  9月19日(土曜日)

集合場所  近鉄吉野神宮駅前

集合時間  午前10時15分

定  員  20名(定員に達し次第締切)

参加費用  2,000円(昼食代・講師・保険代含みます。)

※スマイルバス代200円×2回分を各自ご用意ください。

 

コース

吉野神宮駅10:28 ⇒ 10:39仁王門 ・・・ 10:50聚法殿(能の歴史・吉野と能について)11:40 ・・・ 11:50TSUJIMURA(昼食)12:30 ・・・ 12:40勝手神社(二人静・吉野静・吉野天人・吉野琴・国栖の解説)13:20 ・・・ 13:30聚法殿(吉野琴・国栖のVTRを見る)14:30・・・ 15:00下千本駐車場15:20(嵐山の解説)15:39⇒ 吉野神宮駅

ポイント

■勝手神社が舞台となっている演目(二人静・吉野静・吉野天人・吉野琴・国栖)

 

【二人静】

二人静

吉野は数多く演目の舞台となっています。そんな舞台を歴史資料館の池田館長がご案内します。 勝手神社は数多くの演目の舞台となっています。その最初が「二人静」です。

あらすじ

勝手神社の神官に若菜摘みに菜摘に遣わされた女が、そこで静御前の亡霊に出会い神社に戻ります。 事の次第がわかった神官は、菜摘女を弔うために舞わせると静の亡霊も現れ、二人は一緒に舞い始めます。 静は、義経の吉野落ちの様子や頼朝の前で舞を舞わされたなどを語り、やがて弔いを頼みつつ消え去ります。

 

【吉野静】

吉野静 吉野静は「二人静」とは全くイメージが変わります。

あらすじ

兄頼朝の追手から逃れて吉野山に逃れた源義経一行。 花矢倉で敵の進撃を食い止めた家来の忠信は、山中で偶然静御前と巡り合い、二人で吉野山の衆徒を欺いて義経を逃がそうと相談します。 忠信は大講堂に潜入し、衆徒の詮議の様子を窺い、義経の武勇などを語って義経追撃の鉾先を鈍らせます。 そこに静が舞装束で現れ、静の舞のあまりの面白さに時を忘れ、義経は無事に落ち延びることが出来たのでした。

 

【吉野天人】

吉野天人あらすじ

都から来た人が吉野山の桜を見ようと出かけると、吉野の山奥深くいると一人の女が現れます。 不審に思い尋ねると、この辺りに住む者と答えますが、いつまでも帰る様子がなく、都人と一緒に花を楽しんでいます。 都人が怪しむと、自分は天人であることを明かし、「今夜ここに旅居して信心なさるならば、古の五節の舞をお見せしましょう」と言いながら女性は消え失せます。 やがて夜になると、不思議なことに虚空に音楽が聞こえ、天人が天より降りてきて、世にも美しい舞を舞い、又花の雲に乗って消え失せてしまいます。 勝手神社裏の山は天女が袖を振る「袖振山」と言われています。

 

【吉野琴】

「吉野琴」は最近500年ぶりに復活した能で、世阿弥の子供である元雅の執筆です。物語は「吉野天人」と少し似ています。

あらすじ

紀貫之が桜満開の吉野の山を訪れると、貫之の前に里の女たちが琴を弾いて現れます。 里の女は、「その昔、浄見原天皇が月の夜に琴を奏でていると天女たちが下りてきて、舞(五節の舞の起源になる舞)を舞ったという話があったが、わたしがその時に舞を舞った天女である」と語ります。 そして、舞が終わると紀貫之に琴を預けて去っていきます。 すると、吉野の山神が現れ、吉野山の由来や五節の舞の起源などの話をして、天女の再来を告げます。 女は、昔の姿で再び現れのびやかな軽やかな舞を舞い、明け方の空に消えていきます。

 

【国栖】

国栖 「国栖」は国栖に伝わる伝承を元に作られています。

あらすじ

大津を逃れ何も食べていなかった大海人皇子に、吉野川で漁をしていた漁師の国栖翁夫婦が鮎と根芹を差し上げます。 そこに追手が現れ、二人は急遽船の中に隠し、巧みに追手を欺き追い返します。 天皇はその忠節に感じ入り、老夫婦は感涙にむせびます。 やがて老夫婦の姿が見えなくなり、その代わり天女が現れ皇子を寿ぎます。この能でも天女が現れます。 ※写真は20数年前、商工会青年部が国栖小学校で開催した能「国栖」の写真です。

 


 

■嵐山(下千本駐車場内)が舞台となっている演目

嵐山

【嵐山】

arashiyama嵐山は、下千本駐車場横にある山です。 この吉野にある嵐山がオリジナルで、のちに京都に移ったという物語です。

あらすじ

時の帝は、花の名所の吉野山より千本の桜を京都の嵐山に移植し、都近くで花を楽しむ事にしました。 今年も花の咲き具合を臣下が調べていると、杉箒を担いだ老夫婦が現れ、木の下を清めているので声をかけると、嵐山の桜は吉野の桜を移植したものだから神木であり、自分こそ神の化身であると明かし、消え失せます。 夜になると、木守・勝手の両神が現れ、更に蔵王権現も来臨し、栄えゆく春を寿ぐのでした。