吉野の地名⑫ 山口

吉野北部 龍門・中龍門方面

平尾からさらに東進すると山口に着きます。山口の地名はその背後にそびえる龍門岳の登山口にあたることから由来します。そしてまさに登山口にあるのが山口神社です。森に覆われたこの神社は、吉野の中で好きな神社の一つです。木々の間から漏れる光が社殿は美しいです。この神社横にある道は伊勢街道で、紀州藩主だった頃の徳川吉宗は、参勤交代でこの山口神社横を何度か通ります。そして社殿の前には、この徳川吉宗が寄進した二基の石灯籠があります。ここの看板には「代々の紀州藩主は江戸時代の参勤交代の途中、必ずこの大宮に参拝、長途の安全を祈った。この二基に参拝、灯篭は、年来の御加護に報いるため寄進したもの」と書かれています。また三茶屋に「おかげ灯籠」が残っており、この道を庶民が「おかげまいり」や「ええじゃまいか」で歩いたと思われます。これらは、村中の老若男女が多勢群行し、手踊りをしながら歩きました。日頃厳しい封建支配のもとで圧迫され続ける民衆が、やり場のない憤怒を爆発させる発露でした。

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