第五話 上田由賀さん

吉野なひと 50人

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第五話 上田由賀さん
~ 吉野を暮らす人代表 ~

今回ご紹介するのは、「木の子文庫」や「おはなしらんどカンブリア」などの活動をされている上田由賀さんです。

前回取材に伺ったのですが、その時に紹介して頂いたご主人の仕事がとても面白くて、思わずご主人を先に取材してしまいました。第四話 上田建具製作所 上田 義治さん

2009年8月27日の私のブログに「佐藤初女さん講演会」のお知らせを載せたのですが、この講演会の主催者のお一人が上田由賀さんでした。
その後も、いろいろな方からお名前をお聞きする機会があったのですが、ご本人にお会いするのは今回が初めてです。



上田さんの第一印象はとても目のきれいな人で、嬉しいという感情が素直に、分かりやすくこちらに伝わってきます。

お話をしていて感じたことは、「天と地の間にうまく暮らしている」という印象で「自然体」という言葉が浮かびました。

最近「自然体風味」の方が多い中で貴重な存在のような気がしました。そういえば前回取材させて頂いた、上田さんの義理のお父様も美しい立ち姿の方です。


上田さんの中には「ある素敵な時間」が流れているような気がします。
それがどんな流れかと一言で表現するのは難しいのですが、エピソードで紹介すると・・・・

『私が東吉野に住んでいた頃、新住民の方が地元のおばあさんに、味噌の作り方を教えて欲しいとお願いしたことがありました。
その時のおばあさんの答えは「いいですよ、では大豆を植えて下さい。」というものでした。』

私はこの時に、新住民の方と、おばあさんとでは、違う時間を生きているのだなと感じました。
味噌造りを大豆の植え付けから考える時間と、味噌だけを作りたいと考える時間。

生産性とか効率とかは縁遠い、自然に則した時間のなかで産み出されるものとの生活。
これが田舎で暮らすということだなと実感したのです。



羊の毛を紡いでいる上田さんを見て同じことを感じました。
羊の毛が紡がれ、編まれるまでの全ての時間を楽しむ。
効率とか生産性という言葉で覆い隠された、「生活を楽しむ」という生き方。



上田さんとお会いして「生活を楽しむということ」の質をもう一度考えてみようと思いました。

上田由賀さんの紹介文

吉野に嫁いで23年。
毎日目にしている風景ですが、同じようで同じ日はなくいまだ見飽きる事はありません。
雨の日に山にもやがかる美しさ。
晴れた日の木々がキラキラ光る美しさ。
あたりまえにそこにある美しさ。





誰に気づかれなくても淡々と営み続けられていく自然のサイクル。
山の緑に混じって桜のピンク、紅葉の赤と目を楽しませて季節を教えてくれます。
山だけでなく、あちこちの家にもマイ桜があるのにはびっくりしました。
それもいろんな色や種類で目を楽しませてくれるなんて!









田んぼの畦までもが美しく、季節によって生える草の種類も変わっていくのを目や季節の空気を通して感じます。

畑で野菜を作り、梅干しや漬けものを漬け、お茶の葉を炒り、お味噌を作り、おもちをつき・・・、




杉で染められた羊毛

暮らしの中で伝わり続ける営み、培われているもの、
そのすべてがが美しく思えてなりません。

それを声高に言うでなく、淡々と、当たり前に過ごす姿に、
生きることに対しての力強さとしなやかさに惹かれて病みません。

この土地で培われた文化やつながりを子どもたちにもつなげたい、途絶えるなんてもったいない。
知ってほしい。
その切なる吉野への思いが私の根っこです。

連絡先
yu-ka@yu-kapi.com
http://www.yu-kapi.com/

 

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