神酒口

吉野中央部 上市周辺

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昨日吉野町地域おこし協力隊の中村智子さんの工房にお伺いました。中村さんは現在「神酒口」を作っておられます。神酒口とは、お正月の三ケ日に白い瓶子に入れる神饌の一つです。粘りや光沢そして香りの良い吉野檜を0.2mmの薄く削った薄板に溝を入れ、その溝同士を編み目のように組み合わせた形状は実に幾何学模様のようで美しいです。そしてその下の両側を膨らませて糸で結び、先を柔らかく内側に柔らかく曲げる事で美しい炎の形になります。この炎が万物を焼き尽くし人間の穢れを焼き尽くすとされます。更に炎の下の膨らんだ形が水を表し、生きるための糧を表現されて(諸説あり)います。この桧で作られた神酒口は吉野下市で生まれ、その後全国に波及していったと伝えられています。近年この神酒口を製造する所がなくなり、このままではこの伝統技術が途絶えそうになっている所、この中村さんがこの「神酒口」と出逢い、現在この技術を東京や静岡や県内でワークショップを中心に広められています。この形状の美しさに多くに人の感動されています。この正月だけの為に毎年新たに飾る神酒口は、日本人の宗教観や美意識の原点かもしれません。神との距離が近い吉野で、神の見えざる手も加わった美しいデザインに、今日本人ならずも海外の人々も魅了されています。

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