谷崎の「吉野葛」を歩く③

スマイルバスで行く吉野 吉野中西部 中荘・国栖方面

紙干1

午後からはバスで国栖へ向かいます。三奇楼の裏がスマイルバスのバス停:上市局前でバスに乗り込みます。窪垣内で停車し、そこから手漉き和紙の里に入ります。吉野葛の中では「・・・上市から車を雇って、今日私たちが歩いてきたこの街道を国栖へ急がせた。そしてなつかしい人家が見えだした時、何より先に彼の眼を惹いたのは、此処彼処の軒下に乾してある紙であった。あたかも猟師町で海苔を乾すような工合に、長方形の紙が行儀よく板に並べて立てかけてあるのだが、その真っ白な色紙をちらしたようなのが、街道の両側や、丘の段々の上などに、高く低く、寒そうな日にきらきらと反射しつつあるのを眺めると、彼は何がなしに涙が浮かんだ。この悠久な山間の村里は、大方母が生れた頃も、今眼の前にあるような平和な景色を広げていただろう。津村は「昔」と壁一重の隣りへ来た気がした。ほんの一瞬眼をつぶって再び見ひらけば、何処かその辺の籬の内に、母が少女の群れに交じって遊んでいるかも知れなかった。・・・」 国栖の和紙の里の景色は、今でも谷崎が見た景色と変わりません。是非文章と併せてご覧ください。最後は谷崎の小説「吉野葛」の記念碑「白狐園」にご案内します。旧国栖小学校を降りて第三回目のバスに乗り上市に戻ります。このツアーは先日お伝えしたスマイルバスの一日乗車券を利用したいと思います。

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