吉野にある能の故地を歩く⑤  「二人静」

吉野の文楽・能の故地を歩く 吉野中西部 中荘・国栖方面

菜摘景色

菜摘を舞台とした能に「二人静」があります。 ストーリーは、菜摘川で神事に供える若菜を菜摘女が摘んでいると、一人の女が現れ吉野山に帰ったら勝手明神の神職に一日写経をして、自分を供養してくれるように伝言して欲しいといいます。菜摘女が名を問うと、女はそれには答えず、もし疑う人があれば、その時自分があなたに憑いて名のると言い、消え失せます。

菜摘女は神社に帰り、神職に事の次第を告げますが、ふと疑いの言葉を漏らしてしまいます。すると突然物に憑かれたようになり、神職が霊に名を問うと、静御前であるとほのめかします。静の霊であると知った神職は舞を所望し、跡を弔うことを約束します。そして、昔の舞装束を取り出し、それをつけて菜摘女が舞い始めると、静の亡霊も同じ衣装で現れ、女の影に寄り添うように舞い始めます。義経の吉野落ちの様子や、頼朝の前で舞を舞わされた事を語りながら舞い、やがて弔いを頼みつつ、消え去るという物語です。菜摘には不思議と静にまつわる伝承が今も多く残ります。

スマイルバス停は菜摘です。

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